読売ライフ12月号では、愛媛県出身の俳人、夏井いつきさんに松山・道後への思いをたっぷりお聞きしました。
名刺は観光スポットのクーポン券付き
取材で訪れたのは夏井さんが庵主を務める上人坂の「伊月庵」でした。
夏井さんからいただいた名刺は二つ折り。
表紙に「俳都松山大使 夏井いつき」とあり、開くと夏井さんの俳句と有効期限付きクーポン券が並んでいました。
クーポン券は松山城天守、松山城ロープウエイ・リフト、道後温泉別館「飛鳥乃湯泉」、子規記念博物館、坂の上の雲ミュージアムで、「本券1枚につき、お連れ様4名までご利用いただけます」と記されていました。
そのことに触れると夏井さんは、
⎯⎯ 季節ごとに松山市から5000枚預かって、句会ライブで入賞した人やお話した人などにどんどん配ってます。1月1日から15日限定の新年バージョンもあるんですよ。これ持って松山に来て下さる方が、年々増えているようなのです
とにっこり。
夏と冬に開かれる2つの俳句甲子園
松山は俳句の熱いバトルが繰り広げられる 全国高等学校俳句選手権大会「俳句甲子園」と、
一般の方を対象とした「あしらの俳句甲子園」が開催されています。
「あしらの俳句甲子園」は、もともと「俳句甲子園」を支援するイベントとして、大人たちが俳句甲子園を体験し、寄付を募るためにスタートしたそう。
⎯⎯「俳句甲子園」は学校教育の場、「あしらの俳句甲子園」は生涯教育の場。俳句によって観光経済、文化教育がピタリと手をつなぎ、俳句を好きな方が年に2回は松山に来て下さるようになるといいですね
と松山・道後の活性化への思いは深い。
松山を拠点に俳句の種まき
夏井さんは、松山を拠点に全国に出向いて行くスタイルにこだわっているという。
⎯⎯ 若いころ、俳句で食べていくということは、まずありえないことでしたが、やっと、このスタイルでご飯を食べて行けるようになりました。この年になって多少、松山に恩返しができるようになってきましたので、できるだけいろんなことをやっていきたい
と振り返りながら、思いを話してくれました。
夏井さんの所属する「夏井&カンパニー」は、「俳句の種まき運動」を中心に据えて、
夏井さんの著作活動やイベント、テレビ・ラジオの出演を展開する松山の会社。夫の加根光夫さんが代表取締役を務めています。
夏井さんは、
⎯⎯ 夫婦二人で動ける間は日本中を歩き回って、俳句の種をまき続けたいですね
と穏やかな笑顔で話します。
健康の秘けつは俳句
そんな夏井さんに健康の秘けつをたずねてみると
⎯⎯ 健康法はとくにないんですよ。俳句をやっていると脳が活性化されるので、体も自然とついてくるんじゃないのかな。吟行をすると歩き回りますし、句会で集まると、みんなでワイワイ議論したり、大笑いしたり、お酒を飲んだり。友達も増えるし、それも俳号という不思議な付き合いですから、本名は一切知らないとても自由な人間関係です。これが健康の秘けつなのかもしれませんね
元気の源はやはり 俳句 でした。