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ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.2

 
Vol.2
本当の敵は味方の顔をして近づく 
 
 
 

 

ネコ坊主こと、専念寺住職の藪本正啓です。

 

「敵は外にいる」と思いがちですが、実際には味方のふりをして近づいてくる人こそ、最も警戒すべき存在かもしれません。歴史や物語の中でも、信頼していた人に裏切られる話は数多くあります。

 

仏教では、良き師や仲間を「善知識(ぜんちしき)」、逆に悪影響を及ぼす人を「悪知識(あくちしき)」と呼びます。善知識は真実を語り、正しい道へ導いてくれる存在ですが、悪知識は一見優しく近づきながら、結果的に人を迷わせたり、苦しめたりします。釈迦も「悪しき友を持つことほど害になるものはない」と説いており、信頼できる人との関係を大切にすることが重要です。

 

私自身、過去にそんな経験をしたことがあります。ある時、お寺の活動を手伝いたいという人が現れました。地域のために何かしたいと熱心に言ってくれたので、最初はありがたいと思いました。しかし、しばらくすると、その人が檀家さんや周囲に「あの住職はお金のことばかり考えている」「お寺の運営の仕方を間違えている」と陰で言っていることを知りました。裏切られた気持ちになり、深く悲しみました。

 

こうしたことは、お寺に限らずどこでも起こり得ます。会社や友人関係でも、最初は良い顔をして近づき、徐々に自分の利益を優先したり、裏で悪口を言ったりする人がいます。そうした「味方のふりをする敵」は、明らかな敵よりも厄介です。なぜなら、最初から敵だと分かっていれば警戒できますが、信じていた人が裏切ると、傷つきやすいからです。

 

では、どうすれば裏切りを防げるのでしょうか? 重要なのは、言葉ではなく行動をよく見ることです。どれだけ良いことを言っていても、行動が伴わない人には注意が必要です。自分の意見に反することでも正直に話してくれる人が信頼できる人です。

 

人を疑うのは辛いことですが、無条件に信じるのもまた危険です。釈迦は「愚か者と交わるよりも、一人でいたほうが良い」とも説いています。冷静に観察し、信頼できる人とのつながりを大切にすることで、本当に味方になってくれる善知識との縁を深めることができるはずです。

 

★ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」は、毎月第1・第3木曜日に「〝人間関係が楽になる〟〝心にしみる〟ことば」を紹介しています。

 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー27万人、Instagramフォロワー25万人(2025年2月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ

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