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ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」Vol.1

 
 
Vol.1
430年の歴史を持つ寺、未来へつなぐ挑戦 
 
 

「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる専念寺

   

よみふぁみドットコムをご覧の皆さまへ
はじめまして。ネコ坊主こと、専念寺住職の籔本正啓です。
このたびはコラムをご覧いただき、ありがとうございます。ご縁に感謝し、少しの間お付き合いください。
 
私は、大阪市平野区喜連にある「融通念佛宗 一向山 専念寺」の第25代住職を務めています。最寄り駅「喜連瓜破(きれうりわり)」は全国的にも有名な難読駅名の一つです。平野区は大阪市内でも人口が多く、歴史あるお寺や築100年以上の古民家が残る地域でもあります。

 

私は小学校一年生のときに父を亡くし、母の実家である専念寺で育ちました。「人の役に立つ仕事をしたい」と考えていたところ、小学校卒業時に親戚から「お寺を継ぐ意思はあるか」と問われました。まだ12歳でしたが、「継ごう」と直感し、13歳で仏門に入りました。その後、修行を重ね、23歳で住職に任命されました。

 
専念寺は約430年前、豊臣家ゆかりのお寺として創建され、地域の人々とともに歩んできました。かつては住民の管理も担い、現在の本堂は宝永地震(1707年)後に修復されたものですが、老朽化が進み、大規模な修復が必要な状態です。改修費は約2億円にのぼりますが、檀家の数が限られており、資金確保が大きな課題となっています。
 
そんな中、ある大先輩の僧侶に「専念寺の檀家は何件や?」と問われ、答えると「違うやろ。平野区の25万人全員が檀家やと思え」と言われました。その言葉が心に残り、一年後、専念寺のSNS運用を開始。「SNSなら25万人に伝えられるかもしれない」と考え、活動を発信し続けています。
 
お寺は特別な場所ではなく、誰にとっても身近な存在であるべきだと思っています。これからも皆さまとともに専念寺を支え、未来へとつないでいけるよう努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

★ネコ坊主の「ネコさんから人間さんへ今日の一言」は、毎月第1・第3木曜日に公開予定です。Vol.2からは、「〝人間関係が楽になる〟〝心にしみる〟ことば」を紹介していく予定です。お楽しみに。

 

プロフィル

融通念仏宗 一向山専念寺 住職 籔本正啓(通称:ネコ坊主)

大阪市平野区喜連にある専念寺の第25代住職。1982年、大阪市平野区生まれ。7歳で父を病で亡くし、 母方の実家である専念寺に戻り、僧侶を志す。 23歳で住職を拝命。専念寺は豊臣家ゆかりのお寺で、「日本で一番美しい」と言われる迦陵頻伽(かりょうびんが)を拝観できる。

地域ネコの見守りと保護活動にも力を入れ、寺の掲示板のことばの書と猫の写真をSNSに投稿し、大きな反響を呼んでいる。Xフォロワー27万人、Instagramフォロワー25万人(2025年2月時点)。

著書に『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』(双葉社)、『大阪 専念寺 ネコ坊主の掲示板 人の悩みのほとんどは「人」 今日のことば101」 (主婦と生活社)。

専念寺ホームページ

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