日々の買い物や美容の話、ごみ捨ての時に毎回合う人の話などなど……、
クスッと笑えて共感できるお話をお届けします。
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オバチャンはどんなに着飾ったとて、服では隠しきれない部分に年齢は出てくるものである(無論、隠れている部分にはもっと出ている)。
自転車に乗るときにはアームカバーを、歩くときには日傘、どんなときでも日焼けだけはしないように注意して生きてきたが、ここ数年は皮膚の乾燥度合いがひどすぎて、ふとした瞬間に写真に写り込んだ自分の〝シワ手〟や〝シワ首〟を見て愕然とする。
首はなんとかシャツのボタンを上まできっちり留めれば隠せるが、仕事柄、手だけは人一倍見られている環境にある。
「手元カット」と呼ばれる写真撮影がたまにあるのだが、これはキャベツの千切りしている場面であったり、フライパンで焼いている肉をトングで裏返そうとしている瞬間であったり、出来上がった料理をお箸でつまんで持ち上げているところだったり、そんな瞬間の写真をレシピの手順写真として撮ることがあるのだ。それらには〝シワ首〟は写ってはいないものの、〝シワ手〟が写る(料理がメインなのであって手なんて誰も見ちゃあいないよ)。
次の料理を作るのに忙しくしているときでなければ、なるべく自分の手で出演させていただいているのだが、撮影するその間際まで両腕を頭の上に挙げてバンザイの状態にし、頭上でくるくると振っているのだが、これはもちろんお遊戯会の練習をしているのではなく、手の甲にくっきりと浮き出た男らしい血管と、赤黒く見える皮膚とそして気になるシワシワを少しでも解消させようと、ギリギリまで努力している姿だ。きらきら星を踊った直後の数秒だけはシワが無く、色白で血管の浮き出ていない白魚のような手になるので、その瞬間を狙ってカメラマンさんに撮って頂くという努力。きらきら~パシャッ。
テレビの時にはもちろんできませんが。
見た目だけの問題ではない。
指先の乾燥がひどすぎて、スーパーの透明のポリ袋がなかなか開けられないし、最近は何故かハムのパックが開けられなくなった。ハムとかベーコンとかのアレである! 真空パックになっていて、四隅の角にここからフィルムをめくってください、みたいな表示がしてあるが、どうも指先が滑るし、一刻も早く開けたいのに指先に力が入らないし、フィルムとフィルムを2枚に分けることすらできなくて。ってかこれ、そもそも2枚に分かれてないんじゃないの? キーッ! 老眼でそれすら見えない。
こないだベーコンのパックのフィルムが開かなくて、周囲をぐるっとハサミで切ったら手が脂でベトベトに! しかも周囲のどの部分もフィルムは2枚には分かれてはくれない。もうパックの上からベーコンを5枚まとめて、ばっさりハサミで切ったわ。とってもラクチンだった!
オバチャンの指を怠けさせないよう、指先の鍛錬のためにあのようなパッケージにあえてしております! byハムやベーコンの会社より(嘘です)🥓
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【材料】2人分
牡蠣…150g
エビ…8尾
鶏もも肉…1枚
ブロッコリー…1株(小房に分ける)
玉ネギ…½個(くし形切り)
しめじ…½株(小房に分ける)
ミニトマト…10個
カマンベールチーズ…1個(6等分)
ニンニク…1片(みじん切り)
オリーブオイル…大さじ3
水…150㎖
塩・ブラックペパー・酒…各適量
【作り方】
❶ 牡蠣はさっと洗って水気をきり、エビは殻をむいて背ワタを取り、酒と塩を振る。鶏もも肉は8等分くらいに切って、塩、ブラックペパーを振る。
❷ フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、①の鶏肉の皮目を下にして並べる。こんがりと色づいてきたら裏返してフタをし、5分ほど焼く。焼けたら取り出し、残ったオイルに分量の水をそそぎ、塩をひとつまみ入れる。
❸ 鍋にブロッコリー、玉ネギ、しめじ、ミニトマトを入れ、①の牡蠣とエビを乗せる。②の鶏もも肉も乗せ、フライパンに残っているオイル水を上からかけ、フタをして中火にかける。5~6分中火で蒸し焼きにしたら、カマンベールチーズを乗せて再びフタをして1~2分加熱して火を止める。
✽鶏と魚介から出たうまみのスープがとても美味しいので、バゲットを添えて浸して食べたり、残ったスープにペンネなどのショートパスタを入れたりして〆パスタなど、最後まで食べてください
井上かなえプロフィル
料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんと美味しいレシピが支持されている
毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯と
NHKきょうの料理出演や、おせち料理の監修、企業のメニュー
著書に「はじめての自炊練習帖」(ダイヤモンド社)、「野菜たっ