山本ゆりさん連載コラムseason1の第三回目『いつになく長かった春休み…』
- 読売ファミリー
- 2020/07/29料理&コラム
いつになく長かった春休み、ついに我が家にもやってきた。
「あつまれどうぶつの森」。
「あつ森」と親しまれるこのゲーム、
世の中で散々話題になっていても、どんなものなのか私はまったくわかっていなかったし
大人のゲームだと思っていた。(Twitterでは大人がコミケ会場みたいなのを作ったり、
墓場を作ったりしている画像が流れてきてたので)
値段も高いんで、小学3年生の長女アミが「欲しい」と言っても聞き流していた。
買っても、どうせやらんくなるやろなと。
私も夫も幼いころからゲームが大好きで、
うちには私が幼少期に買ってもらった旧ファミコンが現役で活躍し
まだ使えるん!?
とよくびっくりされるが、
夫が友達や会社の後輩を連れてきた際に懐かしがってやっていく。
(コントローラーはこの世で一番汚いと思う)
そしてアミにも、保育園の年長くらいから「
が、ダメだった。
ミスするのを異常に怖がるのだ。
敵にぶつかれば泣き、
穴に落ちては泣き、
アイテムが取れなくて泣く。
ついには穴の前で
「とんだら落ちる・・・絶対無理!!」
といつまでもじっと動かずタイムオーバーでアウトになるという事態。
私が幼い頃は、ゲームのせいで犯罪が増えた。と、
嘆いている人たちもいたが、
画面上でマリオがやられるのをあまりに重くとらえられるのも困りものだ。
「アウトになっても変わりはいくらでもおるから大丈夫」
「リセットボタン押したら全部元に戻るから」
と、身も蓋(ふた)もない言葉で励ましていたが、
結局あまり楽しめなかった。
小学生になりNintendo Switchが欲しいとのことでクリスマスに
買ってから数年「マリオパーティ」しかやっていない。
友達とはキャーキャー何時間もやっているが、
私や夫が幼い頃、親の目を盗み、
それはそれで全然いいことだ。
でもyoutubeでヒカキンがゲームをやっている画面をひたすら観ている姿に、
ついに「自分でゲームしなさい」という聞いたことない説教をしてしまった。
そんなときに近所の友達が、
「あつ森、子どもにめちゃくちゃ流行ってるよ~!うちの子もずっとやってる!私のほうがハマってるけど。」と教えてくれた。
自分の家が作れ、服装が好きに着せ替えられ、髪の毛の色も変えられたりするからアミちゃん絶対ハマると思う!と。
(動物ちゃうんかいってなったけど、プレイヤーは人間らしい)
収穫した果物や海で釣った魚をお店で売ったり、
そこで得たお金でまた家を大きくしたりして、
どんどん町を作っていく。
株の売買に似た仕組みとか、お金の使い方や社会も学べて勉強にもなると。
なにそれすごい。
その友達はめちゃくちゃゲーマーなため、友達とオンラインでつながって、明日の夜にどこどこで集合しよ!とか、母親同士でLINEでやりとりして、今どこどこに集まってるからおいで~!などもやってるらしい。
まさかゲームの中にもう1つのコミュニティが存在し、
そっちの世界でも現実の友達と自由に遊べるなんて・・・
めんどくさすぎるやろ
と性格上思ってしまったけど、そこまでいかなければ普通に楽しめそうだ。
アミはレゴブロックで家や街を作ったり、シールブックで着せ替えをするのが大好きだから、おそらくこのゲームは合うのではないか。
夫と相談し、購入した。
アミは飛び跳ねて喜び「これな、めっちゃすごいねんで!」とかなんとか、
既に知ってる情報を口から泡を飛ばして語り、
夫と2人でやり始めた。
謎のタヌキに無人島を紹介してもらい移住。
さくらんぼを取り、木の枝を取り、貝殻を拾う。
毎日その繰り返しだ。
木の陰から敵が現れることもなく、
サソリに刺されても死ぬこともなく、
静かで平和な世界だ。
(何このゲーム。逆に怖くなるわ)
家の周りに花を植え、可愛い服を買い、部屋の壁紙を気分でかえる。
子どもなので操作を覚えるのも早く、どんどんのめり込んでいった。
そしてアミが寝たあと、別のキャラクターでその世界に入り、家を建て、アミの数倍の速度でお金を溜め、家を増築させる夫。
昼のアミ
夜の夫
昼のアミ
夜の夫
昼のアミ
夜の夫
アミが掲示板に手紙を書き、夫が読む。
夫が返事を書き、アミが読む。
夫がプレゼントを送り、アミが受け取る。
夫がアミにお金をわたし、アミが服を買い、掲示板に御礼を書き込む。
親子の新たなコミュニケーションがゲーム内で生まれるなど思ってもみなかった。
ただ春休みには大量の宿題があった。
「あつ森は朝8時までなら自由にやってもいい」とルールが決められた日、
夜中の3時に突然ムクッと起きて時計を見たアミ
「今何時?・・・3時か・・・てことは・・・
5時間遊べる・・・」
半分寝ながらもリビングに向かおうとしたので夫と慌てて止めた。そして幼い頃の自分たちのようだと、2人でニヤニヤしたのだった。
余談だが、
掲示板にアミが書いた初めてのメッセージ。
独特。
山本ゆりさんに用意していただいた
オリジナル最新レシピを紹介
山本ゆり プロフィール
料理コラムニスト。大阪生まれ&在住。著書「syunkonカフェごはん」シリーズ(宝島社刊)累計約630万部。最新刊「syunkonカフェごはん7 この材料とこの手間で「うそやん」というほどおいしいレシピ」ほか、「syunkonカフェ どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本」(扶桑社刊)など。
Twitter:syunkon0507
instagram:yamamoto0507
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