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地元「総文祭」 華麗に優雅にPR
「吟詠剣詩舞(ぎんえいけんしぶ)」高校生合同チーム
「文化部のインターハイ」ともいわれる全国高校総合文化祭「かがわ総文祭2025」が来年7月26〜31日、県内各地で開催される。34年ぶりに地元で開かれる「総文祭」を広く周知しようと現在、県内でPRイベントなどが行われている中、ひときわ注目を浴びているのが吟詠剣詩舞部門の高校生合同チームだ。
◆ 県内5校から10人
「吟詠剣詩舞」は漢詩や和歌を地声で歌う「吟詠」と、吟詠に合わせて刀を持って華麗に舞う「剣舞」、扇を使って優雅に舞う「詩舞」の総称で、日本の伝統的な芸道だ。県内の高校には部活動や同好会はないが、高松西高校、高松南高校、善通寺第一高校、高松高校、高松中央高校の10人が召集され、チームを結成。普段はそれぞれ、師匠がいる社中に所属して芸を磨き、月1回全員で合同練習を行っている。
中でも高松西高校には、吟詠の4人が在籍。2年生の青木賢心さんと3年生の橋本真希さんはいとこ同士で、2人とも吟詠教室に通う祖母の影響で小学生から吟詠を始めた。剣舞もできる二刀流の橋本さんは、「古文や歴史が学べるのもいいところ。詩の意味が分かると表現力がより豊かになります」と魅力を語る。自身は来年卒業するので総文祭には出られないが、檜(ひのき)舞台に立つ他のメンバーの健闘を祈り、熱い思いを込める。
(写真提供/香川県吟詠剣詩舞部門代表委員・桑田昌樹さん)
「祖母の吟詠が子守歌でした」という、同校2年生の佐藤伸彦さんと秀彦さんは双子の兄弟。部活動ではテニスに打ち込むが、吟詠剣詩舞は「他校生ともつながりができ、一緒に感動や達成感を共有できることがうれしい」と笑顔を見せる。
4人とも吟詠は師範級の腕前で、橋本さんは全国大会出場経験もある。
合同チームでは、この夏、岐阜県で開催された総文祭に出場し、演目の一つに「桃太郎」の英語朗読と童謡歌唱を盛り込み披露した。英訳にはかなり苦労したそうだが、新たな挑戦に「伝統ある吟詠剣詩舞の練習に、ますます気合が入った」とメンバーらは話す。
今後、合同チームでの演舞は、10月26日の三木町イベント「獅子たちの里 三木まんで。」と、12月15日に同町文化交流プラザで行われる「総文祭かがわ2025プレ大会」で予定されている。(エリアライター/宇都宮啓子)
(写真提供/香川県吟詠剣詩舞部門代表委員・桑田昌樹さん)