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【 鳥取県版 】実は日本一(カニの水揚げ量)

  国内圧倒的トップ シーズンに向け準備中

境漁港(さかいぎょこう)/ 境港市

水揚げされたベニズワイガニの競り

鳥取県は江戸時代からカニ漁が行われており、近年は「蟹取(かにとり)県」として大々的にキャンペーンを展開している。中でも境港市の境漁港はベニズワイガニ、ズワイガニ(雄が松葉ガニ、雌は親ガニ)などを合わせたカニの水揚げ量が国内で圧倒的にトップ。農林水産省の2022年水産物流調査によると境漁港の水揚げ量は5181tで、2位の香住漁港(兵庫県)を3400t以上引き離している。

水産物販売施設に並ぶ松葉ガニ

◆ 資源保護にも取り組む
ベニズワイガニは境漁港を代表するカニ。ゆでる前から鮮やかな紅色をしていて、身が繊細で甘みが強いのが特長だ。境漁港では国内水揚げ量のほぼ半分の約4600tが水揚げされ、漁期も9月〜翌年6月の10か月間と長い。水深500〜2000mに生息し、「カニかご漁」という漁法で取られるが、小型の雌ガニはかごから出られるようになっており、主に大型の雄ガニしか漁獲されないことから資源も保護されているという。

カニ漁に使われるカニかご

境港水産物地方卸売市場にあるカニ水揚げ日本一の看板

11月からは松葉ガニも
境港市では約20年前から官民による「境港カニ水揚げ日本一PR実行委員会」を組織し、県内外で活動を展開している。会長の統(こしかわあきのり)さんは「ベニズワイガニは鮮度落ちが早くほとんど加工用になりますが、それだけに加工会社が市内に多くあり、地場産業に貢献する貴重な存在」という。毎年1月には「カニ感謝祭」を開催し、カニ汁の振る舞いなどを行っている。

市内では水産物販売施設で、ゆでたカニを買ったり、その場で食べたりすることができ、飲食店もほとんどがカニを扱っている。「旨いもん市場 海月丸(かつきまる)」の「てっぺん海鮮丼」(2970円)はベニズワイガニを1杯丸ごとトッピングした人気メニュー。店主の松本達也さんは「ベニズワイガニを味わってもらいたいので赤字覚悟で提供しています。ぜひ食べてほしい」と話す。

てっぺん海鮮丼

11月からは日本海の冬の味覚「松葉ガニ」も解禁となる。境港市はベニズワイガニと松葉ガニが同時に食べられ、買えるという全国的にも珍しい港町。本格的なカニのシーズンに向けて地元関係者も訪問客の受け入れ準備に余念がない。(エリアライター/安井徹仁

 

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