徳島 ✽ トンネル栽培確立で 全国トップシェア 春ニンジン出荷量(3~6月)✽ 寒さに弱いニンジン 越冬可能に(徳島県)
- 読売ライフ
- 2025/03/18中四国情報
【 徳島県版 】実は日本一
トンネル栽培確立で 全国トップシェア 春ニンジン出荷量(3~6月)
寒さに弱いニンジン 越冬可能に(徳島県)
ハウスの中の春ニンジン
西日本で桜が満開になり始めると、徳島県では春ニンジンの収穫が最盛期を迎える。
「軟らかくて甘い」と評判で、出荷量は日本一。
主力産地、県の北東部の板野町を訪ねた。
吉野川北岸に広がるトンネル栽培のビニールハウス
◆ 一面に広がるビニールハウス
冬から春にかけて、徳島自動車道で上板サービスエリアから藍住インターに走ると吉野川方面に池が点在するような風景が広がる。池のように見えるのはトンネル状のビニールハウス。中では春ニンジンがすくすくと育っている。3〜5月に収穫される徳島県産の春ニンジンは吉野川の肥沃(ひよく)な土壌に恵まれた板野町や藍住町を含む板野郡、吉野川市、名西郡、徳島市と那賀川流域の阿南市の農家約260軒で栽培される。2024年の春ニンジン出荷量は全国トップの3万4673tで、年間でも北海道、千葉県に続く全国3位を誇る。もともと寒さに弱いニンジンは夏に出荷される露地栽培野菜で、春ニンジンは存在しなかった。JA徳島県本店販売部次長の井上勝博さんは「徳島県では昭和40年代に藍住町周辺で『トンネル栽培』が試行錯誤の末に確立され、ライバルのいない春に出荷することが可能になり、全国トップシェアを誇るようになりました」と説明する。トンネル栽培は、夏場に畑の土を作り、10〜12月に種まきをして、その上にドーム状のスチールパイプをいくつも立ててビニールを被せ、トンネル状のビニールハウスにする。高さ約1・5m、幅約3・5mのトンネルが並ぶことで面状となり、遠くからは池のように見える。中は太陽光だけで冬でも十分暖かい。温度が高くなりすぎないよう通気口がいくつも開けられている。ニンジンは青々と葉を伸ばしながら越冬、翌年の3月上旬ごろからトンネルは撤去され、収穫される。
3月から始まる収穫(写真提供/JA徳島県)
◆ 軟らかさと甘さが評判
雨露にさらされることなく育つ春ニンジンは、軟らかく、甘みを感じやすいと評判だ。「うまみが最も感じられる食べ方は、100%ジュースとスティックサラダですよ!」と井上さんは力を込める。ジュースは皮付きのままカットしてジューサーにかけ、しぼりカスはさまざまな料理に利用するという。板野町の「道の駅いたの」では3月下旬から春ニンジンが店頭に並ぶ。ジュースやソフトクリームなども登場し、ドレッシングは通年の人気商品になっている。「JAグリーンアグリ板野」や「JAグリーンどなりマルシェ」などJA徳島県直売所では、県産の春ニンジンとスダチをミックスしたジュース「ザ・キャロット」を販売し、好評という。徳島県にんじん振興協議会(事務局=JA全農とくしま)では、出荷最盛期となる4月12日を「よいにんじん」の語呂合わせから「徳島県にんじんの日」に制定。県内外で販売キャンペーンが展開される予定だ。(エリアライター/黒田仁朗)
ニンジンをあしらったオブジェが立つ「道の駅いたの」(写真提供/JA徳島県)