花いけバトル念願の全国大会へ ✽ 英明高校華道部/高松市
- 読売ライフ
- 2025/01/16中四国情報
【 香川県版 】頑張ってま~す !
花いけバトル念願の全国大会へ
英明高校華道部(高松市)
全国大会に出場するペア「英明烈花」の田村優佳さん(3年·左)と松村泰志さん(2年)
高校生2人組の〝バトラー〟が花を生けて対戦する「全国高校生花いけバトル」の香川大会で、高松市の英明高校華道部のペア「英明烈花」が初優勝した。
2025年2月2日に同市のレクザムホールで行われる全国大会に向けて稽古を積む、同部の様子をうかがってきた。
夕暮れの校舎の一室で、テンポのいい音楽が流れる中、部員たちが花を持って走る。目指すは高さ約50㎝の壺(つぼ)状の花器だ。「あと2分」「あと1分」と時間を刻む声が響く。部員たちは制限時間5分の中で、花材を選び、見立て、花器まで走り、即興で生け切らなければならない。大きな花器に合わせるので、作品も大型になるが、短時間で生けなければならない。生徒たちは精一杯手足を動かし、全身で生ける。まるで花を使った体当たりの即興芸術&スポーツだ。
◆ 香川大会で2年連続準優勝
高校生花いけバトルは香川県で始まった即興で花を生ける競技大会で今年度8回目を迎える。全国12か所で地区大会が行われ、各地区の優勝チームが全国大会に集結するのだ。
英明高校華道部は香川大会で一昨年度、昨年度の2年連続準優勝。今年度は出場した10校23チームの頂点に立ち、2回目の全国大会の切符を手に入れた。
出場チームは同じ学校の2人1組。制限時間の中で先鋒(せんぽう)が持ち時間の前半を生け、次鋒(じほう)にバトンタッチし作品を完成させるなど、各回異なるバトル条件の中で得点を競う。「自分の思い通りにならないところがおもしろいです」と同部1年の乃一拓海さんは力を込める。
英明高校華道部の部員たち
◆ 個性が表れる即興の生け花
部員11人のうち4人は男子だ。稽古は花いけバトルが週1回、基本となる生け花が月2回行われる。入部する生徒のほとんどが生け花の経験がなく、花やはさみの持ち方から学ぶ。外部コーチとして20年近く同部を指導する池坊の引立教授である二宮早苗さんは「基本の稽古では植物の特徴をつかんでもらい、花いけバトルでは型にこだわらず自由に生け、植物と向き合い、その出生をきちんと表現してもらいたい」と話す。
顧問の平岩さやか教諭は「花いけバトルは、即興なので生徒の個性がすべて表れておもしろいですよ。〝やってみたいことをやってみる〟をモットーにどんどん挑戦してほしい」と部員たちの奮闘を見守る。
香川大会で優勝した3年の田村優佳さんは「最後まで全力を尽くしたい。全国からやってきた花好きの高校生たちと出会えるのも楽しみです」と全国大会への意気込みを話し、「将来は花に関わる仕事を目指したい」と笑顔を見せた。(エリアライター/黒田仁朗)
即興で生けた花を二宮さん(右)に評価してもらう部員たち
生け花の基本も学ぶ