読売ファミリー・読売ライフは読者の生活を応援するお得な情報をお届けします

読売ファミリー・読売ライフは皆様の生活を
応援しています
Topics

取材記者の旬のトピック

おいしい料理で町を盛り上げたい ✽ 「Bistrot Nobu(ビストロ ノブ)」/江府町(こうふちょう)

【 鳥取県版 】移住バンザイ 東京 ▶︎ 江府町

  おいしい料理で町を盛り上げたい

「Bistrot Nobu(ビストロ ノブ)」
貝原塚
(かいはらづか)信彦(のぶひこ)さん・二葉(ふたば)さん
(江府町

オーナーの貝原塚信彦さん(左)と二葉さん

20244月、周囲を山に囲まれた鳥取県江府町佐川(さがわ)に、東京·渋谷の人気フレンチレストラン「Bistrot Nobu」が移転オープンした。
オーナーの貝原塚信彦さん(48)が妻・二葉さん(51)の郷里に移り住み、地元産の食材を使ったフレンチを提供する。
過疎化の進む山あいの町にあえて店を移した
2人は「おいしい料理を出していくことで、何とか町を盛り上げたい」と意気込んでいる。

マニラで出会い 岡村島へ
2人は大学時代に留学先のアメリカで出会い、帰国後の05年に結婚。その後、信彦さんは「小学生の時からあこがれだった」という料理人の道を歩み、二葉さんは海外支援のNGOなどに勤務した。113月の東日本大震災後、二葉さんは被災地支援に携わり、信彦さんも半年余り手伝う中で2人は「食べることの大切さを実感していった」という。この思いと信彦さんの念願を具現化したのが、同年12月に東京都渋谷区幡ヶ谷に開いた「Bistrot Nobu」。都内に多くの飲食店がある中、シンプルながら味わい深い料理は人気を呼び、18年から3年連続でミシュランのビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)を獲得するまでになった。

料理をする信彦さん

地方への移転を決断
店は軌道に乗っていったが、信彦さんは以前から料理の師で都内の名店「コート·ドール」の斉須政雄シェフに「ゆくゆくは地方に店を出せ」と言われていたこともあり、頭の片隅に移転したいという考えはあったという。自身の出身地·千葉県成田市への移転も考えたが、22年の夏休みに当時小学4年生だった一人息子を連れ、一家3人で二葉さんの郷里·江府町に里帰りしたことが転機となった。二葉さんは「荒れた田んぼや山を見た時、故郷がこのままでいいのだろうかと思った」そうで、2人の思いは一致。江府町に店を移すことを決断。23年秋、町内の複合商業施設「パレット奥大山」に入居する話があり、そこに店を構えることにした。

2
人は当初、「こんな山の中に店を出し、お客さんがくるのだろうかと思った」というが、地元産の新鮮な魚介や野菜などの食材を使った本格的なフランス料理と温かい接客は瞬く間に評判を呼び、今やランチタイムの予約は数か月先まで埋まるほどに。信彦さんは今後について「ここでしか食べられない料理を出し、お客さんにこの町に来ていただくことで地元に貢献できれば」と前向きだ。(エリアライター/安井徹仁

鳥取県江府町にオープンした「Bistrot Nobu

店で提供されるフランス料理の一例=「Bistrot Nobu」提供

一覧に戻る

pagetopへ

©2022 Yomiuri Joho Kaihatsu Osaka Co.,Ltd.