【 香川県版 】いいね👍(高松市)
魅力ある観光地復活へ 屋島山上を盛り上げたい
元気YASHIMAを創ろう会 / 高松市
高松市北東部に位置する屋島は、栗林公園、琴平と並ぶ香川の3大観光地の一つ。
屋根の形をした山上からは瀬戸内海の多島美が一望できる。
2年前には風光明媚(めいび)な山上に、高松市屋島山上交流拠点施設「やしまーる」が誕生。
回廊式でユニークな外観の建物が人気を呼び、週末は多くの人でにぎわっている。
そんな屋島を盛り上げているのが「元気YASHIMAを創ろう会」だ。
◆ 同級生に広がった強い思い
屋島地区は地元愛の強い人が多く、ボランティア団体の活動が観光を陰で支えている。中でも地元・屋島中学の卒業生らを中心に発足した「元気YASHIMAを創ろう会」は2005年に結成された団体で、20年近く屋島山上を盛り上げる活動に貢献してきた。20年には香川県ボランティア大賞も受賞している。同会ができた経緯について、会長の岡晃一郎さんは、「当時の屋島は、観光客が激減し、商業施設が次々と廃業して全く元気がありませんでした。特に心が痛んだのがケーブルカーの廃止で、ますます寂しくなる屋島を何とか元気にしたい、盛り上げたい、微力でも何かできることはないかという強い思いで相談を持ち掛けたのが地元の同級生なんですよ」と振り返る。同級生から同級生への声がけで1958年(昭和33年)度の屋島中学卒業生を中心に約80人が集まった。「これほど屋島の現状をみんな憂えていたのかと、これからの活動に手応えを感じました」と岡さん。結成後は「屋島ウォーク」での遍路道の整備や「さぬき満月まつり」、JR屋島駅にある観光案内所の運営などに関わり、観光マップやパンフレットの制作など精力的に活動を開始した。中でも会員が力を入れているのが、毎月第2土曜日(4〜11月)に行っている四国霊場八十四番札所・屋島寺東大門で実施している「お茶のお接待」だ。毎回約10人が参加して観光客やお遍路さんにお茶をふるまい、境内に「お茶飲んでってー、どっから来たん?」という会員の声が響いている。
◆ 官民が一体となって
13年には観光地復活に向けて官民一体の「魅力ある屋島再生協議会」が発足。屋島スカイウェイの無料化や新拠点「やしまーる」の完成などで成果を上げ、かつてのにぎわいが戻ってきた。同会の次なる目標はケーブルカーの復活。登山駅は廃虚化したが、リフト登山や廃線跡の探検ウォーキングができないかなど知恵を絞る。岡さんは、「メンバーはほとんどが80歳を超え、元気に動ける人も少なくなりましたが、これからも少しずつできることをやって、細く長く有志と活動を続けていきたい」と屋島がもっと元気になることに思いを馳せる。(エリアライター/宇都宮啓子)