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取材記者の旬のトピック

【 高知県版 】おじゃましまーす!

  芋の力  最大限に引き出すブランド

芋屋金次郎/ 日高村

揚げたての芋けんぴ

カリっとした食感と優しい甘みが人気の「芋けんぴ」。上質な芋菓子ブランドとして、四国をはじめ、東京、大阪、福岡など全国8か所に直営店を持つ、芋けんぴ専門店「芋屋金次郎」の本社を訪ねた。

「芋けんぴ」はもともと土佐弁。江戸時代、土佐藩主に献上されていた、小麦粉を固めて焼き上げた干菓子「けんぴ」に由来する。終戦後に原料の小麦粉が高騰し、サツマイモを代用したのがはじまりだ。

高いシェア占める芋けんぴ
「芋屋金次郎」の商品は全て、老舗芋菓子メーカー・澁谷(しぶや)食品が製造している。澁谷食品は1952年に日高村で創業。同社によると、使用しているサツマイモの量は約1万にのぼり、全国のスーパーやコンビニで販売されている「芋けんぴ」のシェアでは約50%を占めるという。「芋屋金次郎」は、ワンランク上の芋菓子をブランド化するため2005年に設立され、店名は澁谷食品の創業者である澁谷金次郎に由来している。

同村にある第1号店の日高本店には、芋けんぴや芋チップをはじめ、サツマイモを使ったケーキや焼き菓子、生菓子などがズラリ。期間限定商品もあり、多くの女性客が買い物を楽しむ。中には外国人観光客の姿も。同社総務部長の福田賢さんは「サツマイモはすべて国内産にこだわり、職人たちの技で、芋の力を最大限に引き出しています」と胸を張る。

芋屋金次郎日高本店

日高本店に並ぶ色とりどりの芋菓子

揚げたてのおいしさに感動
芋けんぴの原料は黄金千貫(こがねせんがん)というサツマイモで、同社は鹿児島県と宮崎県を中心に約400軒もの農家と契約している。8月中旬〜11月に収穫され、掘り出した当日か翌日に工場へ直送し、カットして揚げたものを冷蔵保存。出荷前に再び揚げ、砂糖蜜をかけて仕上げる。直営店だけで販売している「揚げたて芋けんぴ」は、店頭で仕上げの製造を行い、販売する(日高本店は工場からの直送)。「揚げたてのおいしさに感動してほしい」というのが、社長の澁谷伸一さんのこだわりだという。

芋けんぴの原料、黄金千貫

買ったばかりの芋けんぴを食べていた女性グループに「おいしい?」と尋ねると、はじけるような笑顔で「おいしーい!!」と返ってきた。聞けば台湾から観光で来たという。「海外にも高知のおいしい芋けんぴを広げていきたい」と福田さん。近年は海外にも輸出されている芋けんぴの未来に期待を込めた。(エリアライター/黒田仁朗

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