読売ファミリー・読売ライフは読者の生活を応援するお得な情報をお届けします

読売ファミリー・読売ライフは読者の生活を応援する
お得な情報をお届けします
Topics

取材記者の旬のトピック

【 徳島県版 】移住バンザイ(大阪・京都 ▶︎ 海陽町)

  竹ヶ島で巡り合えた   豊かな海で働く喜び

大美(おおみ)将太郎さん・宮城ともかさん・藤村捺月(なつき)さん/海陽町

マリンジャム前の海岸で。(左から)大美さん、宮城さん、藤村さん

海陽町の竹ヶ島はサンゴが群生し熱帯魚が泳ぐ美しい海が広がる。島内の同町海洋自然博物館「マリンジャム」で働く大阪府出身の大美将太郎さん(22)と宮城ともかさん(21)、京都府出身の藤村捺月さん(22)は、就職を機に同町へ移住した。ガイドやマリンスポーツを教える仕事に目を輝かせる若者3人を訪ねた。

◆ 魚の魅力を伝える仕事
3人は、もともと動物が好きだったことから、大阪市内の専門学校で飼育員の仕事を学び、複数の水族館での研修を経て卒業後、同館に就職した。藤村さんと宮城さんは昨年採用された同期。宮城さんは「父の実家が徳島県阿南市で、趣味がサーフィン。子供の頃から海辺で遊んでいたこともきっかけの一つでした」と話す。1年早く就職した大美さんは、「人前で話すことは苦手でしたが、お客様に僕が感じた魚の魅力を伝えると、とても喜ばれたので楽しくなりました。水族館で飼育する魚を周辺で採取するのも得意です」と胸を張る。

普段の仕事は施設内の水族館での魚やサンゴの飼育、海中観光船「ブルーマリン号」での魚やサンゴの説明、マリンレジャーの指導など。竹ヶ島周辺は瀬戸内海と黒潮が混じるため魚類は夏で約80種、サンゴは約70種と豊富で、季節によって変化する。3人は「海中で魚やサンゴを見て、陸に上がって図鑑やインターネットで種類や特徴などを調べ、必死で頭に入れました」と振り返る。

マリンジャム内の水族館で餌やりをする宮城さん

地元の人たちに感謝
3人はそれぞれ町職員マンションに暮らしている。少子高齢化が進む町では、同世代を見かけることは少ないという。地元の人たちの人情の厚さに都会育ちの3人は驚くことが多かった。

「散歩をしていたら、近所のおばちゃんに『お茶しよやー』と声をかけられ家に上がったら、他のおばちゃんたちもおやつ持参でやって来て女子会に突入とか、よくあります」と藤村さん。大美さんは「漁師さんからご飯を食べにおいでと誘われて伺うと、本マグロやカツオのたたき、イセエビなど海の幸が盛りだくさんでびっくり」と話し、宮城さんは「生まれて初めてお祭りに参加し、関船という山車を引っ張りました。みんなでお酒を酌み交わして仲良くなり、とても楽しかった」と地元の人たちとの交流を笑顔で話す。

「大阪に帰ると空気や人混みが気になり、早く竹ヶ島に戻りたくなるよね。地元の人たちから大切にしていただいて、感謝しかありません」と3人はうなずき合う。藤村さんは「ずっとこの町に住み続けたい。近所のみなさんに長生きしてもらいたい」と話し、大美さんは「地元の消防団に入って仲間ができました。豊かな自然の中で好きな仕事をして、魚がうまい。この町で暮らして、やがて奥さんを見つけたいです」と照れ笑いを浮かべた。(エリアライター/黒田仁朗

シーカヤックの乗り方を指導する大美さん(左)

一覧に戻る

pagetopへ

©2022 Yomiuri Joho Kaihatsu Osaka Co.,Ltd.