奥田和美(たっきーママ)さん連載コラムseason1-第1回目「ソウルフード」その1
- 読売ファミリー
- 2020/08/26料理&コラム
私はこれまで14回もの引越しを経験してきた。
一般的に考えても多い方だと思う。
生後一ヶ月の時に、神戸から横浜に引っ越したのを皮切りに、
なんやかんやで転々として来たが、実際に住んだ場所と言えば
神戸、横浜、大阪、岩手の4県だけだ。
過ごして来た場所で何が違うのかと言うと、
一番はやはり「食文化」ではないだろうか。
それぞれの土地にはそれぞれの食文化があり、
そこでしか味わえないソウルフードがある。
現在は大阪に住んでいるが、
今回は中学までを過ごした横浜の食のお話。
横浜と言えば、言わずと知れた「中華街」があるわけだが、
わが家もよくフラッと中華街にラーメンや肉まん、中華粥などを食べに行った。
具だくさんのあんかけラーメン、
横浜でいうところのサンマーメンも思い出の味。
生まれも育ちも大阪のど真ん中である夫は、
サンマーメンと聞いてサンマがのってる麺だと思ったらしい。
長期の休みには横浜に住んでいる姉の家に家族で行くことがあるのだが、
横浜に行くとなると私には行きたい場所が最低でも2カ所ある。
1つ目はやはり中華街。
以前、夫に美味しい中華粥を食べさせたくて連れて行ったことがあるのだが、
行く前に夫は
「おかゆに金払うなんてありえへん」
と言っていた。
気持ちはわかる。
おかゆと言えば、塩味で梅干しなどが添えてある病人食のイメージ。
でも中華粥は違う。立派なごちそうなのだ。
案の定、中華粥を一口食べた夫はおかゆの概念を覆されたようだった。
そして、興奮冷めやらぬまま出店の小籠包を食べ、
工芸茶を飲む頃には夫はすっかり横浜の魅力、いや中華街の独特の雰囲気や魅力にハマっていた。
お茶の中にパッと花が開く様は、芸術的で疲れも癒される。
2つ目は、子供の頃から大好きだった「ハングリータイガー」というハンバーグのお店。
このお店のハンバーグが世界で一番美味しいと思っていた。
いや、今でもそう思っている。
まさに私のソウルフード。
私が小学生の頃にオープンしてよく行っていた1号店は、今もそこにある。
ここのハンバーグを食べるのが楽しみで、何かご褒美と言われたら
「ハングリータイガー」に行きたいと言っていた気がする。
子供の頃から食べることが大好きだった。
横浜周辺にしかなかったこの店舗が、実は数年前名古屋にオープンした。
どうしても食べたくて、高速を走って名古屋まで行ったこともある。(どんだけ)
しかし今はもう閉店してしまい、横浜に行くしか手はない。
他にも
「崎陽軒のシウマイ」、
「ありあけのハーバー」など、
好きだった食べ物は数えきれない。
恐らくこれら全ては「楽しかった頃の美味しい思い出の味」として刷り込まれているからこそ、
今食べても「超絶」美味しいと思うだけなのだろうか。
もしも今初めて食べたとしたら「普通に」美味しいだけなのだろうか。
いや、そんなことはない。
多少美化してるところはあるにせよ、
美味しいものはいつ食べても「超絶」美味しいのだ。
わが家の息子たちは、
大人になったら何が懐かしい味で何がソウルフードになるのだろうか。
ちなみに、
高校二年の長男の「おふくろの味」は
「具なし味噌汁」らしい。
外で飲むお味噌汁はそんなに好きじゃないけど、私の作るお味噌汁、それも具が入っていないお味噌汁が大好きだと言う。
いつか作り方教えて欲しい、と。
嬉しいけど、そのお味噌汁、出汁入り味噌を溶かしてるだけやで・・・(まさかの)
本人にはまだ言ってないけど。(笑)
よみファクッキング
たっきーママのオリジナルレシピ
ナスと厚揚げの生姜照り焼き
サバ缶としめじのトマトチーズ煮
【プロフィール】
たっきーママ(奥田和美さん)
料理研究家、お弁当プランナー
「料理レシピ本大賞in Japan ‘2016」入賞。
「レシピブログアワード」お弁当部門3年連続グランプリ受賞、レジェンド入り。
フードアナリスト、フードコーディネーターとしてテレビ、雑誌、広告の他、企業のレシピ開発などで活動。
著書では発行部数11万部超えの「朝すぐ!弁当」(扶桑社)他、累計118万部突破。
オフィシャルブログ
『たっきーママ@Happy Kitchen』
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