BENIOの楽しい囲碁Vol.11 石の逃げ方 ~逃げることが勝利への近道~
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- 2025/04/11その他お得情報

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囲碁は、入門クラスだと石取りゲームからスタートします。石を○個とったほうが勝ちというシンプルなルールです。
そこで、石が取りやすくなるコツを紹介します。
それは、逃げることです。
「異議あり! 裁判長、石を取りたいのに逃げるなんてムジュンしています」
と挙手した人もいるかもしれません。
今回の記事は、逃げ方のお話です。これを覚えると囲碁でグーンと強くなれるかも?
ちなみに、そろそろ手を下げていいですよ(まだ挙手させてたんかい)。
囲碁では、石を囲むことでゲットできます。これは相手にとっても同じです。
例えば、囲まれて、石が取られそうでピンチなとき。石をつなぐだけで逃げられます! 逃げる方法はシンプル。魔法を唱えなくていいんです。滑舌の悪い私が、照れつつ「アブラカタブラ」を唱えなくていいんです。
例えば、こんなふうにピンチの石があるとします。
あなたが黒番で、相手が白番です。
Aに相手が白石を置いたら? あなたの黒石は1個取られてしまいます。
そんなときに、逆転の発想をしましょう。
「逆に、Aに自分の黒石を置いたらいいやん」と考えてみます。
すると、あと1手で取られそうだったのに、3手もかかるようになりました。
これでは簡単には取られませんね。うまく逃げることができました。
さて、逃げるっていいことばかりなのでしょうか。確かに、逃げているだけで石が取れるとは限りません。
自分の守りが弱くても、おそれず攻めるスタイルもあります。しかし、難しいテクニックが必要です。
入門の頃は、まずは逃げて石をつなぐ方法がオススメです。
自分の石を強くしながら、相手の石を囲めるチャンスを待ちます。
チャンスが来たら、囲んでゲットします。
逃げるは恥だが役に立つ、とは違うねん。
囲碁では、逃げることは恥どころか基本です。恥ずかしがらずに積極的にどんどん使いましょう。
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ちなみに、私が本当に「アブラカタブラ」を唱えた場所はファーストフード店。お菓子がもらえる合い言葉でした。
でもその時、店員さんに「そのキャンペーンは終わっています」と真顔で言われたのさ。
今思い出しても、逃げだしたいくらい恥ずかしい。
文/BENIO、囲碁監修/水戸夕香里三段(日本棋院関西総本部所属)